地域コーディネーター養成講座(第2回)

日 時:2024年2月27日(火)10:00~15:30

場 所:岩国市民文化会館 第1研修室

講 師:伊藤一統氏(宇部フロンティア大学短期大学部 教授)

対 象:地域づくりに興味のある方

    地域課題に取り組んでいる方・市民

参加者:27名

●内容

1.前回講座の概要

 ①なぜ地域コーディネーターが必要なのか

 ②地域コーディネーターの役割について

2.地域おこし協力隊、集落支援員より事例紹介

・柱島地域おこし協力隊

 島の課題は、ごみが多い、高齢化が進み人手不足。柱島一斉清掃をするために島外からボランティアを呼ぼうとしたが、島の人たちは感染が怖い、ボランティアを読んだことがないなど消極的だった。数人の理解者と話し合い、100人のボランティアを呼んだ。来訪者増へ向けて取り組んでいる。

 島に来れない人や島出身者にSNSを活用した。柱島公式LINEやホームページ、ブログ、YouTubeなど開設し、多くの人が訪れるようになり、みんなで共有できるようになった。

 今後は、島に宿泊施設を作り、多くの人を島に呼び込みたい。宿泊施設は自治会運営とし、お金を生み出す仕掛けを作りたい。

・美和地域おこし協力隊

 目的は、地元特産品である「岸根ぐり」の産地振興。

 地域の課題は、人口減少、高齢化新規就労者不足、荒廃化。効率化の改善、圃場整備ができていない。後継者不足から、加工品の販売が低調、鳥獣被害、除草作業など非生産的な作業負担等が増えている。

 現在は、栽培支援、栽培情報共有に取り組んでいる。今後は、農地集約、労力・機械の共有、栽培技術の導入、広報活動、ECサイトの活用、6次産業化を進めたい。品種改良による付加価値向上と直売所のブランド化の強化、早生栗の活用を進める。

 リサイクルによる資源循環型社会への貢献、圃場事業の創造と支援。

 企業版ふるさと納税、地方創生事業を考える。特定地域づくり事業協同組合の設立、公務員などの副業支援。

・周東集落支援員

 周東町祖生地区の人口は1世帯1.9人で高齢化率52%。

 ①集落の点検

 地域の現在の状況をデータ化し、各機関と情報共有している。

 ②地域活動に参加

 地域のイベントに参加、お手伝い、地域の人とのつながりを大事にしている。

 ③情報の収集と発信

 周防柱松を取材し、各公的機関でパネル展を開催。集落支援だよりを発行し、地域住民に配布。Facebookで発信し、共有している。

・つながるマルシェ実行委員会

 目的は、玖珂町、周東町の公共施設や空き店舗、空き地を活用して地域の活性化及び地域の魅力発信を目的としたイベントの開催。交流人口と関係人口の増大を図る。

 公共施設として子どもの館、玖珂総合公園、駅通りでイベント開催し、開催場所の魅力を伝えた。

 出展者と来場者をつなぎ、場の提供と新しいコミュニケーションの促進を図った。地域の人だけでなく、市内全域から来場者が訪れ、交流人口の増大を図った。地域での思い出ができると地域に愛着がわき、また帰ってきたくなる。

 「人と人」、「人と場所」がつながりが新しい何かが生まれる「場所づくり」を一過性のものではなく、持続的に賑わいづくりを作っていきたい。

・美川町集落支援員

 地域特性は、急激な人口減少。高齢化率71.5%で人口755人の内、年少人口は9人。

 昭和30年代には大変活気があったが、その後過疎化、高齢化。錦川が流れ、シーズン中は鮎漁が盛ん。交通手段は錦川清流線と生活交通バスだが、錦川清流線は存続が危ぶまれている。

 東谷さぬきパークは美川町添谷地区にあり、集落内の農地の維持管理を目的として平成13年に立ち上げ、80代のメンバー5人が平成14年より「むらまち交流そば作り事業」を外部より200人越えの参加者を呼び込み年8回の体験交流行事を開催し、地域間交流に取り組んでいる。「来訪者以上移住者未満」東谷に関わってくれるファンをそばづくり事業で育てていき、関係人口を増やす。

●所感

 持続可能な地域づくり協働を進めるには、地域に関わった中での課題や問題点を多様な組織が共有し、市民活動団体も課題を解決するために自分たちのスキルを提供し、一緒に活動すると安心安全な住みよい地域づくりができると思う。ミッションは違うかもしれないが、最終的なビジョンは同じだと思う。

●アンケート結果

1.講座はどうでしたか?

 大変ためになった  7

 ためになった    8

 ためにならなかった 0

2.事例紹介は参考になりましたか?

 大変参考になった  5

 参考になった    8

 普通        2

 参考にならなかった 0

3.講座でどんな内容が印象に残りましたか?

 「人が来れば片づける。地域も一緒。」という言葉

 持続していくことが大切

 定住することの難しさ

 地域に愛着がわくことが地域活性化につながっていく

 地域おこし協力隊は任期があるので、次の一手を考えられていることがかっこよかった

 中山間自体高齢化しており、底上げが大変だと思った

 情報収集・分析が素晴らしい

4.地域コーディネーターに必要なすきるについて理解できましたか?

 理解できた 12

 分からない 3

5.なぜ、地域コーディネーターが必要なのか理解できましたか?

 理解できた 12

 わからない 3

・どんなことですか?

 楽しく暮らすお手伝い

 地域の方とのパイプ役

 地域の存続のため

 社会構造の変化

 地域活性化

6.その他

 ・発表されたみなさん、素晴らしい活動をされていて刺激を受けた。

 ・ペース配分がよかったのでわかりやすかった。

 ・後継者不足などの状況を広くアピールし、行政の支援など継続できるような仕組みづくりが必要。

 ・他の地域の活動状況を聞いてみたい。

 ・少子高齢化の進む地域で、若い人たちがいかに動いてくれるか、自分の地域として頑張ってもらえないか。

 ・高齢の女性の方には地域に興味を持っている方が多いが、情報をどのように広げるかどのように協力できるかを考えている。

 ・目的、将来像が見えなくて内容がわかりにくかった。

7.あなたのことを教えてください。

 男  40%

 女  60%

 20代 10%

 30代 15%

 40代 20%

 50代 25%

 60代 30%