ふるさと歴史講演会「愛宕歴史アラカルト」

第1回~愛宕・尾津・門前・牛野谷の名前はなぜ付いたか~

自分の住んでいるまちの歴史を知ろう!

 

日 時:2020年12月11日(金)13:30~15:00

場 所:愛宕供用会館 集会場

講 師:松岡智訓氏(岩国市徴古館副館長 学芸員)

参加者:70名

●司会挨拶 愛宕地区まちづくり協議会設立準備会(地域づくり部会) 日比道雄氏

●会長挨拶 愛宕地区まちづくり協議会設立準備会会長 越澤法男氏

 

●講座

1.愛宕地区の地名の由来

 明治22年に市制、町村制が施行され全国に市町村ができる。

 愛宕村 尾津・門前・牛野谷・愛宕神社より成立

 

愛宕神社

・京都の愛宕神社が分祀されたもので、全国に900近くある。

・岩国市内にも愛宕社や同様の祭神を持つ神社がある。

・防火の神

・伊弉冉尊・加具土命を祀る。

・「愛宕」についても諸説あるが、加具土命が生まれるときに母(伊弉冉尊)を焼き殺したことにより、「仇子(あたご)」であったことからだとも伝わる。

 

①代表地名パターン

 例)岩国町 岩国町・錦見村より成立

   通津村 通津村・長野村より成立

②合体パターン

 例)師木野村 六呂師・叶木村・柱野村より成立

③歴史的パターン

 例)麻里布 装束村・室の木村・今津村・柱島より成立

   万葉集にも出てくる地名だが、これがどこを指しているのは不明。

 

2.尾津村の由来

 尾津村 牛野谷川の川尻であるため、尾津と呼ぶようになった。

 ※門前川の川尻に発達した州がもとになった「尾州」からといわれる。

 古津(こづ)→小津(こづ・おづ)→尾津(おづ)と変化したという説もある。

 

3.門前村の由来

 門前村 昔、喜楽寺という寺があり、その門前だったため門前と呼ぶようになった。

 

喜楽寺

・15世紀には存在が確認できる。

・弘中氏や大内氏との関りが深かったとされる。

・天文24年(1555)、陶氏や弘中氏が厳島の戦いで毛利元就に敗れた後は毛利氏に従った。16世紀後半、広島の洞春寺(毛利元就ノ菩提寺)整備の際に建物は解体され、広島に運ばれた。

 

4.牛野谷村の由来

 牛野谷村 愛宕山道に牛岩という大岩があり、その姿から地域の名前の由来となる。

 

牛岩神社

・老若男女を問わず諸病悪疫に対してのご利益があり、また、除病招福の祈願成就を古くから言い伝えられている。疱瘡をはじめ諸病(近年は子どものおねしょ)に効験ありと、信心を集めた。